
Kozue Suzuhara
鈴原 梢
CEO / 時禾
農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の会話から始まった問いを、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有へ育てる。時禾の事業づくりを追う。
- Year
- 2021
- Role
- CEO
- Industry
- 収穫計画・季節運用支援
- Tags
- 収穫計画・季節運用支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
鈴原 梢氏が率いる時禾は、収穫計画と作業分担を共有する季節運用ツールを通じて農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の実務を支えています。事業のきっかけは「天候による予定変更が家族や手伝い手に伝わりにくかった」という経験でした。時禾では、課題を大きな言葉へ置き換える前に、どんな確認が繰り返され、どこで判断が止まるのかを見ます。そうした観察を、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有へつなげてきたリーダーです。
Company Focus
収穫計画・季節運用支援を手がける時禾は、農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の日々に収穫計画と作業分担を共有する季節運用ツールをどう組み込むかを考えてきました。時禾では新しい操作を増やすより、確認の重複や情報の行き違いを減らすことを優先しています。収穫計画と作業分担を共有する季節運用ツールでは、導入直後の印象より、数か月後も無理なく続く運用を優先しています。
Business Focus
事業の焦点は収穫と出荷を支える柔らかな予定共有にあります。時禾は、目立つ新機能よりも、農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者が繰り返す確認や申し送りを短くする改善を優先します。導入する側の都合で手順を増やさないという姿勢で、現場に合わせて調整できる余地を残しています。
Leadership Note
鈴原 梢氏が組織運営で重視するのは、反対意見を結論への抵抗ではなく点検材料として扱う対話です。確認項目を増やすことで安心を作ろうとしそうな場面では結論を急がず、誰にどんな負担が移るのかを確認します。反対意見も判断を遅らせるものではなく、前提を点検する材料として扱っています。
Interview
Q&A
Question 01
時禾の構想は、最初から明確だったのでしょうか。
インタビュアー
事業化する前に、どんな問いを持っていたのでしょう。
鈴原氏
なぜ同じ話が何度も蒸し返されるのか、という問いです。天候による予定変更が家族や手伝い手に伝わりにくかったという場面を見たとき、現場の事業者に足りないのは能力ではなく、状況を受け渡すための器だと思いました。
インタビュアー
その器としてこのツールがある。
鈴原氏
はい。記録や連絡を増やすのではなく、必要な判断が自然に残るようにする。そこから収穫と出荷を支える柔らかな予定共有へ焦点が移っていきました。
インタビュアー
時禾は、最初から市場を大きく見ていたわけではない。
鈴原氏
まったくそうです。時禾が最初に見ていたのは、目の前の現場の事業者の困り方でした。収穫計画・季節運用支援という言葉にすると大きく聞こえますが、始まりはもっと日常に近いものでした。
インタビュアー
日常に近い感覚から、時禾の事業に育った。
鈴原氏
はい。だから今も、説明が大きくなりすぎた時は、『天候による予定変更が家族や手伝い手に伝わりにくかった』という出発点に戻るようにしています。
Question 02
時禾の利用者から届いた反応で、最近印象に残ったものはありますか。
インタビュアー
時禾の今後の事業で、特に磨きたい部分は何ですか?
鈴原氏
このツールの中で、利用者が自分の言葉を残せる部分です。現場の事業者には、それぞれの現場でしか分からない表現があります。
インタビュアー
このツールを画一化しすぎないということですか?
鈴原氏
そうです。収穫と出荷を支える柔らかな予定共有を進めるほど、標準化と個別性のバランスが重要になります。そこを丁寧に見たいですね。
インタビュアー
時禾は、機能を増やすことよりこのツールの使われ方を見ているのですね。
鈴原氏
そのほうが近いです。現場の事業者は新しい道具を触るために働いているわけではありません。このツールで自分の仕事が少し進みやすくなる、というくらいの自然さを時禾は大事にしています。
インタビュアー
このツールが自然に仕事へ入っていくこと。
鈴原氏
はい。時禾では、このツールを『便利そう』で止めず、『明日も使いそう』まで持っていけるかを見ています。
Question 03
時禾のチームでは、どんな会話が多いですか。
インタビュアー
チーム運営で難しいと感じることはありますか?
鈴原氏
役割が違う人同士の言葉をつなぐことです。収穫計画・季節運用支援では、同じ言葉でも立場によって意味が少し変わります。
インタビュアー
翻訳する力が必要になる。
鈴原氏
はい。時禾では、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有を進める前に、まず言葉の向きをそろえる時間を大切にしています。
インタビュアー
時禾の社内は、わりと静かなタイプですか?
鈴原氏
静かですが、淡々としているわけではありません。時禾ではこのツールの細部で急に盛り上がることがあります(笑)。時禾らしく、文言を一行直すだけで二十分くらい話すこともあります。
インタビュアー
時禾らしい細かさですね。
鈴原氏
でも、その一行で現場の事業者の受け取り方が変わるなら、十分話す価値があります。
Question 04
時禾では、早く進めたい気持ちと慎重に見る姿勢をどう両立していますか。
インタビュアー
時禾が迷ったとき、何を手がかりにしますか?
鈴原氏
このツールの変更で影響を最も受ける人を想像します。便利そうに見えても、時禾が現場の事業者の手元で仕事を増やすなら判断としては危うい。収穫計画・季節運用支援ではそこを外せません。
インタビュアー
時禾は、利用者の負担から逆算する。
鈴原氏
そうです。収穫と出荷を支える柔らかな予定共有を進めるときも、見栄えより運用後の呼吸を見ます。
インタビュアー
時禾が決める前に、必ず見るものはありますか?
鈴原氏
このツールに触れる最初の三分です。時禾では、現場の事業者が何を見てどこで止まりそうか、その入口を想像してから決めます。
インタビュアー
このツールに触れる最初の三分ですか?
鈴原氏
はい。このツールを長く使った時の価値も大事ですが、現場の事業者が入口で置いていかれたら、その先まで届きません。
Question 05
現場の事業者との関係は、これからどう変わっていきますか。
インタビュアー
時禾が今後も変えたくないものはありますか?
鈴原氏
天候による予定変更が家族や手伝い手に伝わりにくかったという原点です。時禾が広がると抽象的な話も増えますが、最初に見た違和感を忘れるとこのツールの意味も変わってしまいます。
インタビュアー
このツールの原点へ戻ることを意識している。
鈴原氏
はい。収穫と出荷を支える柔らかな予定共有を進めるときほど、最初の手触りに戻るようにしています。
インタビュアー
時禾が楽しみにしている変化はありますか?
鈴原氏
このツールが、特別なものではなくなることです。現場の事業者に道具の存在を意識させないくらい、自然に仕事の中にある状態がいいですね。
インタビュアー
このツールが目立たなくなることも、成功の一つなのですね。
鈴原氏
はい。現場の事業者の活動が主役で、時禾は脇から支えるくらいがちょうどいいと思っています。
Question 06
収穫計画・季節運用支援という真面目な領域で、肩の力が抜ける瞬間はありますか。
インタビュアー
現場の事業者との会話で、印象に残っている一言はありますか?
鈴原氏
『これなら人に頼みやすい』と言われたことがあります。便利という言葉より、頼みやすいという言葉のほうが、私には強く残りました。
インタビュアー
一人で抱え込まなくてよくなる。
鈴原氏
そうです。このツールが、そういう小さな受け渡しのきっかけになるなら、十分価値があると思いました。
Editor's Note
時禾の取材では、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有を支える組織の会話と記録のあり方に注目しました。取材を通じて見えたのは、農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の仕事を外側から単純化せず、判断の背景まで理解しようとする姿勢でした。
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