
Rei Arima
有馬 玲
CEO / Entora
環境学習・行動振り返り支援の課題を大きく語りすぎず、教育現場、地域団体、企業内の学習担当者の日常から考える。Entoraのリーダー像を描く。
- Year
- 2021
- Role
- CEO
- Industry
- 環境学習・行動振り返り支援
- Tags
- 環境学習・行動振り返り支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
有馬 玲氏が率いるEntoraは、環境行動を考える学習コンテンツと振り返りノートを通じて教育現場、地域団体、企業内の学習担当者の実務を支えています。事業のきっかけは「環境の話題が正しい人とそうでない人を分ける言葉になりがちだった」という経験でした。Entoraでは、課題を大きな言葉へ置き換える前に、どんな確認が繰り返され、どこで判断が止まるのかを見ます。そうした観察を、環境を日常の行動として考える学習設計へつなげてきたリーダーです。
Company Focus
環境学習・行動振り返り支援を手がけるEntoraは、教育現場、地域団体、企業内の学習担当者の日々に環境行動を考える学習コンテンツと振り返りノートをどう組み込むかを考えてきました。Entoraでは新しい操作を増やすより、確認の重複や情報の行き違いを減らすことを優先しています。環境行動を考える学習コンテンツと振り返りノートでは例外対応を隠さず、Entoraの次の判断材料として残せる仕組みを整えています。
Business Focus
Entoraは環境を日常の行動として考える学習設計に注力しています。重視するのは、教育現場、地域団体、企業内の学習担当者が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。利用者の言葉を仕様の言葉へ急いで置き換えないという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。
Leadership Note
速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行を、有馬 玲氏は標語ではなく会議の進め方として扱っています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうなときには、選ばなかった案とその理由も記録します。Entoraでは結果だけでなく、チームが次の判断に使える材料まで共有します。
Interview
Q&A
Question 01
Entoraが事業の形になる前に、見えていた課題は何でしたか。
インタビュアー
Entoraの出発点には、環境の話題が正しい人とそうでない人を分ける言葉になりがちだったという経験があったのですね。
有馬氏
近いです。最初に残ったのは、派手な課題というより、現場の人が少し言葉を選びながら困っている空気でした。学び手と伴走者と話すと、このノート以前に、何を残し、誰に渡すかが曖昧になっている場面がありました。
インタビュアー
プロダクトの前に、情報の扱われ方を見ていた。
有馬氏
はい。急いで仕組みにするより、なぜその迷いが起きるのかを観察しました。環境を日常の行動として考える学習設計というテーマも、そこから自然に見えてきたものです。
インタビュアー
Entoraを、すぐ形にしようとは思わなかったのですね。
有馬氏
思わなかったです。このノートを急いで形にすると、浅くなる気がしていました。環境の話題が正しい人とそうでない人を分ける言葉になりがちだったという出来事の後も、しばらくはノートに会話だけを書いていました。
インタビュアー
学び手と伴走者との会話を集めるところから。
有馬氏
はい。学び手と伴走者が何に困ったと言うかより、どこで言いよどむかを見ていました。そこにEntoraの事業の輪郭がありました。
Question 02
Entoraで、いま最も手を入れている部分はどこですか。
インタビュアー
注力領域としては、環境を日常の行動として考える学習設計が中心ですか?
有馬氏
中心ではありますが、言葉だけが先に立たないようにしています。学び手と伴走者にとっては、抽象的な方針より、今日どこを確認すればよいかのほうが切実です。
インタビュアー
日々の動きに結びつけることを重視している。
有馬氏
ええ。このノートを通じて、考える順番、残す情報、誰に渡すかを細かく整えています。
インタビュアー
Entoraのいまの注力点は、かなり地道ですね。
有馬氏
地道です(笑)。ただ、Entoraが地道なところを飛ばすと、後で必ず戻ってきます。環境を日常の行動として考える学習設計も、見た目の新しさより、毎日の仕事にちゃんと残ることを優先しています。
インタビュアー
環境を日常の行動として考える学習設計は、笑いながら言うにはなかなか重いテーマです。
有馬氏
そうなんです。でも、このノートを重い顔だけで作っても続きません。Entoraのチームでは、真面目に悩みながらも少し笑える余地は残しています。
Question 03
Entoraを作る組織として、譲れない空気はありますか。
インタビュアー
チームに求めている姿勢はありますか?
有馬氏
小さな違和感を流さないことです。学び手と伴走者の仕事を見ていると、ほんの少しの言葉のずれが後で大きな手戻りになることがあります。
インタビュアー
細部を見る力ですね。
有馬氏
はい。速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行という姿勢は、社外向けの言葉ではなく、普段のレビューや会話の中で試されるものだと思っています。
インタビュアー
Entoraのチーム内では、どんな言葉をよく使いますか?
有馬氏
『それ、相手の一日で考えた?』とはよく言います。Entoraで学び手と伴走者の一日を想像せずに議論すると、どうしても作り手の都合が強くなります。
インタビュアー
このノートを、利用者の一日の中に置いて考える。
有馬氏
はい。Entoraの机の上では正しく見えても、利用する時間帯やその時の忙しさに合わないことがあります。
Question 04
Entoraで「やらない」と決めるときの基準はありますか。
インタビュアー
Entoraが迷ったとき、何を手がかりにしますか?
有馬氏
このノートの変更で影響を最も受ける人を想像します。便利そうに見えても、Entoraが学び手と伴走者の手元で仕事を増やすなら判断としては危うい。環境学習・行動振り返り支援ではそこを外せません。
インタビュアー
Entoraは、利用者の負担から逆算する。
有馬氏
そうです。環境を日常の行動として考える学習設計を進めるときも、見栄えより運用後の呼吸を見ます。
インタビュアー
Entoraで、やめる判断は前向きに受け止められますか?
有馬氏
簡単ではありません。でも、このノートで何かをやめたことで、学び手と伴走者の使いやすさを守れる場合もあります。Entoraでは、増やせば良くなるとは考えず、引き算も経営判断に含めます。
インタビュアー
このノートを減らすことも経営判断ですね。
有馬氏
はい。Entoraでは、減らした後にかえって使いやすくなることも多いです。
Question 05
Entoraを次にどう育てていきたいですか。
インタビュアー
これからのEntoraに必要なものは何だと考えていますか?
有馬氏
現場の言葉を失わないための辞書です。このノートを広げるほど、学び手と伴走者の細かな表現が薄まりやすくなります。
インタビュアー
共通化しながら、個別の言葉も残す。
有馬氏
はい。環境を日常の行動として考える学習設計を進めるうえで、その両方を持てる会社でありたいです。
インタビュアー
Entoraの次の挑戦には、楽しみな部分もありますか?
有馬氏
ありますよ(笑)。大変なことも多いですが、このノートによって学び手と伴走者の仕事がふっと軽くなる瞬間を見ると、やはり面白いです。
インタビュアー
このノートで仕事がふっと軽くなる瞬間。
有馬氏
そうです。Entoraにとっては、大きく変わったと言われるより、『今日ちょっと助かりました』のほうがうれしい時もあります。
Question 06
Entoraの事業をめぐって、印象に残っているやりとりはありますか。
インタビュアー
取材していると、かなり慎重な方に見えます。
有馬氏
よく言われます(笑)。でも、ずっと慎重なわけではなくて、動く時はあっさり動きます。迷っている時間と、決めた後の切り替えは分けたいですね。
インタビュアー
慎重さと軽さの両方がある。
有馬氏
そうですね。環境を日常の行動として考える学習設計も、重く考えすぎると始まりませんから。
Editor's Note
有馬 玲氏が繰り返したのは、教育現場、地域団体、企業内の学習担当者に新しい負担を渡さずに環境を日常の行動として考える学習設計を進めるという視点でした。取材を通じて見えたのは、教育現場、地域団体、企業内の学習担当者の仕事を外側から単純化せず、判断の背景まで理解しようとする姿勢でした。
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