CEO Edition
望月 悠人氏のポートレート
CEO Edition 2021

Yuto Mochizuki

望月 悠人

Co-founder / CEO / Civoria

地域の話し合いが声の大きさで印象づけられてしまう場面を見たという経験を起点に、地域の議論を次の会話へつなぐ論点整理へ向かう。Civoriaが大切にする判断の手触り。

Year
2021
Role
Co-founder / CEO
Industry
地域議論・論点整理支援
Tags
地域議論・論点整理支援事業設計組織づくり

Profile Summary

Profile

望月 悠人氏は、Civoriaで地域課題の意見整理と会議準備を支えるワークスペースの構想と運用を担ってきました。出発点にあるのは、「地域の話し合いが声の大きさで印象づけられてしまう場面を見た」という実務上の違和感です。地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者の動きを観察し、仕組みを先に押しつけるのではなく、どこで情報が途切れ、誰の確認が重くなるのかを整理してきました。社内では速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行を重視し、結論だけでなく判断に至った理由を共有しています。

Company Focus

Civoriaは、地域課題の意見整理と会議準備を支えるワークスペースを軸に地域議論・論点整理支援の運用課題へ取り組む組織です。対象となる地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者の既存手順を観察し、残すべき工夫と見直すべき負担を分けながらサービスを設計しています。地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者が自分の言葉で扱えることを、Civoriaは継続の条件に置いています。

Business Focus

事業の焦点は地域の議論を次の会話へつなぐ論点整理にあります。Civoriaは、目立つ新機能よりも、地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者が繰り返す確認や申し送りを短くする改善を優先します。説明を受けなくても次の行動が分かる順番を優先するという姿勢で、現場に合わせて調整できる余地を残しています。

Leadership Note

Civoriaのチームづくりには、望月 悠人氏が掲げる速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行が反映されています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうな場面でも、強い意見だけで方向を決めず、実務を担う人の見方を確かめます。望月 悠人氏は、速く決める部分と時間をかける部分を意識して分けています。

Interview

Q&A

Question 01

地域の参加者と向き合う中で、何が一番引っかかりましたか。

インタビュアー

創業前から、地域議論・論点整理支援の領域に関心があったのですか?

望月氏

関心はありましたが、最初はもっと素朴でした。地域の話し合いが声の大きさで印象づけられてしまう場面を見たという出来事を通じて、地域の参加者の困りごとは表に出る頃には少し形が変わってしまうと感じたんです。

インタビュアー

このワークスペースで、課題が表に出る前の段階を扱いたかった。

望月氏

そうですね。このワークスペースは、その前段階を見えるようにする試みです。地域の議論を次の会話へつなぐ論点整理も、現場の違和感を置き去りにしないためのテーマです。

インタビュアー

Civoriaの創業時に、誰かの言葉で背中を押されたことはありますか?

望月氏

あります。地域の参加者の方に『これ、いつも自分の中で何となく処理していました』と言われたことです。このワークスペースを考える間も、その『何となく』がずっと残りました。

インタビュアー

地域議論・論点整理支援には、まだ言葉になっていない仕事があった。

望月氏

ええ。このワークスペースは、その何となくを責めるためではなく、少し楽に扱えるようにするためのものです。

Question 02

Civoriaの利用者から届いた反応で、最近印象に残ったものはありますか。

インタビュアー

地域議論・論点整理支援の中で、いま何を深めていますか?

望月氏

いちばん見ているのは、判断の手前にある迷いです。地域の議論を次の会話へつなぐ論点整理を進めるには、きれいな結論だけでなく、そこへ至る途中の情報が必要になります。

インタビュアー

Civoriaは、判断の途中経過を大切にしている。

望月氏

はい。このワークスペースは、結論を急がせる道具ではありません。地域の参加者が納得して次へ進める材料をそろえるものです。

インタビュアー

Civoriaでは、開発中に意見が割れることもありますか?

望月氏

よくあります。このワークスペースの機能が親切なのか、余計なお世話なのかは何度も話します。Civoriaが地域の参加者に近づきすぎても重くなるので、その距離感は難しいですね。

インタビュアー

このワークスペースは支えるが、使い方まで支配しない。

望月氏

ええ。Civoriaがそこを間違えると、地域の参加者の仕事らしさまで変えてしまいます。

Question 03

Civoriaのメンバーに期待している姿勢を教えてください。

インタビュアー

組織づくりでは、速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行を大切にしているのですね。

望月氏

はい。Civoriaでは会議で強い意見が出ることより、後から読み返しても判断の筋が残っていることを重視しています。

インタビュアー

Civoriaでは、記録が組織の安心感になる。

望月氏

そう思います。このワークスペースも、結局は人の判断を支えるものです。Civoriaの社内でも、誰が何を見て決めたのかを曖昧にしないようにしています。

インタビュアー

Civoriaでメンバーに任せる時、気をつけていることはありますか?

望月氏

結論だけ渡さないことです。Civoriaでは、なぜそれをやるのか、このワークスペースのどこは触らないのかまで共有します。Civoriaがその背景を共有しなければ、仕事がただの作業になってしまいます。

インタビュアー

Civoriaでは、仕事の背景も一緒に渡す。

望月氏

そうです。Civoriaでは、背景を持って動ける人を増やしたいですね。

Question 04

地域議論・論点整理支援で意思決定する難しさはどこにありますか。

インタビュアー

Civoriaで最後に決めるとき、どのような感覚を見ていますか?

望月氏

腹落ちよりも、このワークスペースの運用に静かに筋が通っているかを見ます。Civoriaでは、会議の盛り上がりだけで決めた案は翌週には弱くなると考えています。

インタビュアー

Civoriaは、熱量より持続性を見る。

望月氏

そうです。このワークスペースを長く使ってもらうには、地域の参加者の日常に無理なく残ることが大切です。

インタビュアー

Civoriaで反対意見が出た時はどうしますか?

望月氏

助かります。このワークスペースへの反対が出ると、Civoriaはいったん立ち止まれます。毎回止まりすぎると困りますが(笑)、早い段階の反対はCivoriaの事業を守ることがあります。

インタビュアー

Civoriaでは、反対意見をブレーキではなく点検として見る。

望月氏

そうです。Civoriaの軸から外れていないかを見る機会になります。

Question 05

Civoriaらしさを保つために、これから何を大事にしますか。

インタビュアー

次の段階では、何を磨きたいですか?

望月氏

受け渡しのしやすさです。このワークスペースが担当者の中だけで完結すると、組織の知恵になりません。

インタビュアー

個人の工夫を組織に渡す。

望月氏

そうです。地域の参加者の工夫を無理に型へ押し込まず、次の人が使える形にする。それがCivoriaの次の仕事です。

インタビュアー

Civoriaが楽しみにしている変化はありますか?

望月氏

このワークスペースが、特別なものではなくなることです。地域の参加者に道具の存在を意識させないくらい、自然に仕事の中にある状態がいいですね。

インタビュアー

このワークスペースが目立たなくなることも、成功の一つなのですね。

望月氏

はい。地域の参加者の活動が主役で、Civoriaは脇から支えるくらいがちょうどいいと思っています。

Question 06

地域議論・論点整理支援という真面目な領域で、肩の力が抜ける瞬間はありますか。

インタビュアー

Civoriaらしい日常の風景を一つ挙げるなら。

望月氏

静かな会議の後に、このワークスペースへの細かい意見がチャットで急にたくさん出てくるところです。Civoriaの会議中に言ってよ、と思うこともあります(笑)。

インタビュアー

Civoriaでは、意見が後から出てくることもあるのですね。

望月氏

でも、それも大事にしています。このワークスペースについて、少し時間を置いたから出る意見もありますから。

Editor's Note

望月 悠人氏は、地域課題の意見整理と会議準備を支えるワークスペースの価値を機能数ではなく、地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者の負担がどう変わるかで語りました。取材を通じて見えたのは、地域団体、まちづくり担当、住民参加の運営者の仕事を外側から単純化せず、判断の背景まで理解しようとする姿勢でした。

Related Profiles

More from 2021

同じ年次特集から、あわせて読みたいプロフィールを紹介します。

倉持 岳氏のポートレート
20212021 Grand Focus

倉持 岳

Founder / CEO / オルビトン

在庫移動・出荷確認支援

在庫はあるのに、動かせない。倉庫、店舗、出荷前確認のあいだに残る小さな遅れを見つめ、運用の呼吸を整える倉持岳の仕事。

Read Profile
鈴原 梢氏のポートレート
2021

鈴原 梢

CEO / 時禾

収穫計画・季節運用支援

農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の会話から始まった問いを、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有へ育てる。時禾の事業づくりを追う。

Read Profile
羽鳥 誠氏のポートレート
2021

羽鳥 誠

Co-founder / CEO / メモレイド

服薬記録・家族ケア連携

家族が心配しても本人の生活を細かく管理しすぎてしまう難しさがあったという経験を起点に、本人の尊重を前提にした生活メモ共有へ向かう。メモレイドが大切にする判断の手触り。

Read Profile