
Ken Sugiura
杉浦 健
Founder / CEO / リントラスト
金融文書オペレーションの現場で見過ごされてきた違和感を、文書確認の透明性と説明しやすい進行管理へつなげる。リントラストが描く実務に近い事業の姿。
- Year
- 2023
- Role
- Founder / CEO
- Industry
- 金融文書オペレーション
- Tags
- 金融文書オペレーション事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
杉浦 健氏の事業観には、確認書類の差し戻しが担当者と利用者の双方に負担を生んでいたという原点が一貫してあります。リントラストでは金融関連文書の確認補助と進行管理を中心に、金融サービスの事務部門と審査前の確認担当者が抱える確認や受け渡しの負担を分解してきました。杉浦 健氏は便利さを機能数で測らず、翌日も無理なく使えるかを確かめます。その慎重さが、文書確認の透明性と説明しやすい進行管理を進める際の判断基準になっています。
Company Focus
リントラストの事業は、金融サービスの事務部門と審査前の確認担当者が使う金融関連文書の確認補助と進行管理の設計と運用支援です。金融文書オペレーションでは例外的な対応が日常的に起こるため、画一的な標準化だけに頼らず、調整の余地を残した仕組みを目指しています。金融サービスの事務部門と審査前の確認担当者が自分の言葉で扱えることを、リントラストは継続の条件に置いています。
Business Focus
文書確認の透明性と説明しやすい進行管理が、リントラストの現在のテーマです。金融関連文書の確認補助と進行管理の利用前後で確認が増えていないか、特定の担当者だけに作業が寄っていないかを点検します。例外を消すのではなく、例外が生まれた理由を記録に残すという考え方を、開発と運用の両方に反映しています。
Leadership Note
リントラストのチームづくりには、杉浦 健氏が掲げる担当者が変わっても判断の背景をたどれる記録が反映されています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうな場面でも、強い意見だけで方向を決めず、実務を担う人の見方を確かめます。杉浦 健氏は、速く決める部分と時間をかける部分を意識して分けています。
Interview
Q&A
Question 01
杉浦 健氏が最初に「これは事業になる」と感じた瞬間はありましたか。
インタビュアー
リントラストの構想は、どんな場面で輪郭を持ち始めたのでしょう。
杉浦氏
最初は、自分たちが何かを作るべきだというより、現場の担当者の中にすでにある工夫をどう失わせないか、という関心でした。確認書類の差し戻しが担当者と利用者の双方に負担を生んでいたという経験も、その工夫が引き継がれにくいことを示していました。
インタビュアー
既にある工夫を拾い上げるところから始まった。
杉浦氏
そうです。この仕組みは、新しいやり方を押しつけるものではなく、現場が持っている判断を次へ渡すための形として考えました。
インタビュアー
リントラストは、最初から市場を大きく見ていたわけではない。
杉浦氏
まったくそうです。リントラストが最初に見ていたのは、目の前の現場の担当者の困り方でした。金融文書オペレーションという言葉にすると大きく聞こえますが、始まりはもっと日常に近いものでした。
インタビュアー
日常に近い感覚から、リントラストの事業に育った。
杉浦氏
はい。だから今も、説明が大きくなりすぎた時は、『確認書類の差し戻しが担当者と利用者の双方に負担を生んでいた』という出発点に戻るようにしています。
Question 02
リントラストの利用者から届いた反応で、最近印象に残ったものはありますか。
インタビュアー
最近の開発で意識していることはありますか?
杉浦氏
使い始めた瞬間より、三週間後に残っているかを見ています。現場の担当者の仕事は毎日少しずつ変わるので、この仕組みも硬く作りすぎると合わなくなります。
インタビュアー
継続して使われる余白が必要なのですね。
杉浦氏
そうです。文書確認の透明性と説明しやすい進行管理は、決め切る部分と現場に委ねる部分の配分が大切だと思っています。
インタビュアー
リントラストが最近、手応えを感じた場面はありましたか。
杉浦氏
小さな場面ですが、この仕組みを使った後に『確認が一回で済みました』と言われたことがあります。リントラストには、こういう具体的な一言のほうが大きな褒め言葉より残ります。
インタビュアー
この仕組みが生んだ、派手ではないけれど確かな変化ですね。
杉浦氏
そうです。文書確認の透明性と説明しやすい進行管理は、そういう小さな変化が積み重なって初めて意味を持つと思っています。
Question 03
担当者が変わっても判断の背景をたどれる記録は、日々の仕事の中でどう表れますか。
インタビュアー
採用や育成で意識していることはありますか?
杉浦氏
器用さだけでは見ません。現場の担当者の言葉を急いで自分たちの都合に置き換えない人かどうかを大事にしています。
インタビュアー
聞き方そのものを重視している。
杉浦氏
はい。金融文書オペレーションでは、相手の言葉を雑に扱うとすぐにずれます。担当者が変わっても判断の背景をたどれる記録は、聞く姿勢の積み重ねでもあります。
インタビュアー
リントラストのチームは、外からどのように見られますか?
杉浦氏
金融文書オペレーションの仕事としては慎重すぎると思われることがあります(笑)。ただ、リントラストでは、雑に速く進めるより後から理由を説明できることを大事にしています。
インタビュアー
リントラストでは、慎重さを弱点とは見ていない。
杉浦氏
そうです。遅いだけでは困りますが、この仕組みについて何を悩んだかが残っている仕事は、後から見直す時に強いんです。
Question 04
リントラストの事業軸を守るために、あえて止めることはありますか。
インタビュアー
選ばない判断もありますか?
杉浦氏
あります。便利そうでも、『例外を消すのではなく、例外が生まれた理由を記録に残す』という方針から外れるなら選びません。リントラストの事業は、何をやらないかで輪郭が出る部分もあります。
インタビュアー
やらない理由も事業の一部なのですね。
杉浦氏
そう思います。この仕組みを広げるほど、選ばなかった理由をチームに残すことも重要になります。
インタビュアー
リントラストが決める前に、必ず見るものはありますか?
杉浦氏
この仕組みに触れる最初の三分です。リントラストでは、現場の担当者が何を見てどこで止まりそうか、その入口を想像してから決めます。
インタビュアー
この仕組みに触れる最初の三分ですか?
杉浦氏
はい。この仕組みを長く使った時の価値も大事ですが、現場の担当者が入口で置いていかれたら、その先まで届きません。
Question 05
リントラストらしさを保つために、これから何を大事にしますか。
インタビュアー
次の段階では、何を磨きたいですか?
杉浦氏
受け渡しのしやすさです。この仕組みが担当者の中だけで完結すると、組織の知恵になりません。
インタビュアー
個人の工夫を組織に渡す。
杉浦氏
そうです。現場の担当者の工夫を無理に型へ押し込まず、次の人が使える形にする。それがリントラストの次の仕事です。
インタビュアー
リントラストの次の挑戦には、楽しみな部分もありますか?
杉浦氏
ありますよ(笑)。大変なことも多いですが、この仕組みによって現場の担当者の仕事がふっと軽くなる瞬間を見ると、やはり面白いです。
インタビュアー
この仕組みで仕事がふっと軽くなる瞬間。
杉浦氏
そうです。リントラストにとっては、大きく変わったと言われるより、『今日ちょっと助かりました』のほうがうれしい時もあります。
Question 06
リントラストの現場で、思わず空気が和らぐ瞬間はありますか。
インタビュアー
現場の担当者との会話で、印象に残っている一言はありますか?
杉浦氏
『これなら人に頼みやすい』と言われたことがあります。便利という言葉より、頼みやすいという言葉のほうが、私には強く残りました。
インタビュアー
一人で抱え込まなくてよくなる。
杉浦氏
そうです。この仕組みが、そういう小さな受け渡しのきっかけになるなら、十分価値があると思いました。
Editor's Note
杉浦 健氏は、金融関連文書の確認補助と進行管理の価値を機能数ではなく、金融サービスの事務部門と審査前の確認担当者の負担がどう変わるかで語りました。文書確認の透明性と説明しやすい進行管理を大きな構想として語るだけでなく、誰がどの場面で使うのかへ話を戻す姿勢が印象に残りました。
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