
Toru Saionji
西園寺 透
CEO / ラボシフト
研究記録・実験ナレッジ支援の課題を大きく語りすぎず、研究チーム、開発部門、実験管理の担当者の日常から考える。ラボシフトのリーダー像を描く。
- Year
- 2023
- Role
- CEO
- Industry
- 研究記録・実験ナレッジ支援
- Tags
- 研究記録・実験ナレッジ支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
西園寺 透氏の事業観には、実験の失敗理由が次の検討に十分生かされない場面を見たという原点が一貫してあります。ラボシフトでは研究メモと検討履歴を整理するワークスペースを中心に、研究チーム、開発部門、実験管理の担当者が抱える確認や受け渡しの負担を分解してきました。西園寺 透氏は便利さを機能数で測らず、翌日も無理なく使えるかを確かめます。その慎重さが、試行錯誤を次の判断に渡す研究記録を進める際の判断基準になっています。
Company Focus
ラボシフトの事業は、研究チーム、開発部門、実験管理の担当者が使う研究メモと検討履歴を整理するワークスペースの設計と運用支援です。研究記録・実験ナレッジ支援では例外的な対応が日常的に起こるため、画一的な標準化だけに頼らず、調整の余地を残した仕組みを目指しています。研究メモと検討履歴を整理するワークスペースでは、導入直後の印象より、数か月後も無理なく続く運用を優先しています。
Business Focus
ラボシフトは試行錯誤を次の判断に渡す研究記録に注力しています。重視するのは、研究チーム、開発部門、実験管理の担当者が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。最初から全体を統一せず、戻せる単位で試すという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。
Leadership Note
西園寺 透氏の判断は、反対意見を結論への抵抗ではなく点検材料として扱う対話から始まります。特に短期の分かりやすさを優先して後工程を重くしそうな局面では、案の分かりやすさよりも、半年後に別の担当者が見て意味を理解できるかを確認します。西園寺 透氏は決定後の動きを曖昧にしない一方、決める前の異論には時間を使います。
Interview
Q&A
Question 01
ラボシフトの構想は、最初から明確だったのでしょうか。
インタビュアー
ラボシフトの出発点には、実験の失敗理由が次の検討に十分生かされない場面を見たという経験があったのですね。
西園寺氏
近いです。最初に残ったのは、派手な課題というより、現場の人が少し言葉を選びながら困っている空気でした。現場の担当者と話すと、このワークスペース以前に、何を残し、誰に渡すかが曖昧になっている場面がありました。
インタビュアー
プロダクトの前に、情報の扱われ方を見ていた。
西園寺氏
はい。急いで仕組みにするより、なぜその迷いが起きるのかを観察しました。試行錯誤を次の判断に渡す研究記録というテーマも、そこから自然に見えてきたものです。
インタビュアー
ラボシフトは、最初から市場を大きく見ていたわけではない。
西園寺氏
まったくそうです。ラボシフトが最初に見ていたのは、目の前の現場の担当者の困り方でした。研究記録・実験ナレッジ支援という言葉にすると大きく聞こえますが、始まりはもっと日常に近いものでした。
インタビュアー
日常に近い感覚から、ラボシフトの事業に育った。
西園寺氏
はい。だから今も、説明が大きくなりすぎた時は、『実験の失敗理由が次の検討に十分生かされない場面を見た』という出発点に戻るようにしています。
Question 02
ラボシフトらしい開発の進め方を教えてください。
インタビュアー
現在の開発で、以前より強く意識していることはありますか?
西園寺氏
足すことより削ることです。現場の担当者の現場では、選択肢が多いだけで判断が止まることがあります。このワークスペースも、使う人が必要な順番で見られるかを優先しています。
インタビュアー
機能を絞ることも価値になる。
西園寺氏
はい。試行錯誤を次の判断に渡す研究記録に向かうには、複雑さを増やすのではなく、迷う場所を減らすことが必要です。
インタビュアー
ラボシフトでは、開発中に意見が割れることもありますか?
西園寺氏
よくあります。このワークスペースの機能が親切なのか、余計なお世話なのかは何度も話します。ラボシフトが現場の担当者に近づきすぎても重くなるので、その距離感は難しいですね。
インタビュアー
このワークスペースは支えるが、使い方まで支配しない。
西園寺氏
ええ。ラボシフトがそこを間違えると、現場の担当者の仕事らしさまで変えてしまいます。
Question 03
反対意見を結論への抵抗ではなく点検材料として扱う対話は、日々の仕事の中でどう表れますか。
インタビュアー
組織のスピード感はどのように作っていますか?
西園寺氏
速く動く部分と、遅く考える部分を分けています。このワークスペースのように現場に深く入るものは、全部を急がせると大事な違和感を落としてしまいます。
インタビュアー
遅さも必要な場面がある。
西園寺氏
あります。その代わり、決めた後の動きは曖昧にしません。ラボシフトでは、その切り替えをチームで意識しています。
インタビュアー
ラボシフトでメンバーに任せる時、気をつけていることはありますか?
西園寺氏
結論だけ渡さないことです。ラボシフトでは、なぜそれをやるのか、このワークスペースのどこは触らないのかまで共有します。ラボシフトがその背景を共有しなければ、仕事がただの作業になってしまいます。
インタビュアー
ラボシフトでは、仕事の背景も一緒に渡す。
西園寺氏
そうです。ラボシフトでは、背景を持って動ける人を増やしたいですね。
Question 04
西園寺 透氏が経営判断で、周囲から見るより悩んでいる部分はありますか。
インタビュアー
意思決定の場で、よく問い直すことはありますか?
西園寺氏
これは現場のためか、こちらの都合か、という問いです。試行錯誤を次の判断に渡す研究記録は魅力的なテーマですが、言葉だけが前に出ると簡単にずれます。
インタビュアー
自社都合になっていないかを見る。
西園寺氏
ええ。現場の担当者の時間を借りる以上、その時間に見合う軽さや納得感が必要です。
インタビュアー
ラボシフトの意思決定で、迷いが長引くこともありますか?
西園寺氏
あります。ラボシフトでは、そういう時はいったん資料を閉じて、このワークスペースを使う誰の顔が浮かぶかを考えます。現場の担当者の中で、具体的に困っている人が見えない案は危ないですね。
インタビュアー
このワークスペースを使う人の顔が浮かぶかどうか。
西園寺氏
ええ。ラボシフトがきれいな言葉だけで進みそうな時ほど、そこを確認します。
Question 05
試行錯誤を次の判断に渡す研究記録の先に、どんな状態を見ていますか。
インタビュアー
これからのラボシフトに必要なものは何だと考えていますか?
西園寺氏
現場の言葉を失わないための辞書です。このワークスペースを広げるほど、現場の担当者の細かな表現が薄まりやすくなります。
インタビュアー
共通化しながら、個別の言葉も残す。
西園寺氏
はい。試行錯誤を次の判断に渡す研究記録を進めるうえで、その両方を持てる会社でありたいです。
インタビュアー
ラボシフトが、これからも変えない軸は何でしょう。
西園寺氏
ラボシフトが変えないのは、相手の仕事を勝手に単純化しないことです。研究記録・実験ナレッジ支援では、外から見ると小さな手順にも理由があることが多い。
インタビュアー
このワークスペースで便利にする前に、今の手順にある理由を見る。
西園寺氏
はい。その理由を見ないまま試行錯誤を次の判断に渡す研究記録を進めると、たぶん長くは続きません。
Question 06
ラボシフトの仕事で、うれしかった小さな出来事はありますか。
インタビュアー
取材していると、かなり慎重な方に見えます。
西園寺氏
よく言われます(笑)。でも、ずっと慎重なわけではなくて、動く時はあっさり動きます。迷っている時間と、決めた後の切り替えは分けたいですね。
インタビュアー
慎重さと軽さの両方がある。
西園寺氏
そうですね。試行錯誤を次の判断に渡す研究記録も、重く考えすぎると始まりませんから。
Editor's Note
西園寺 透氏が繰り返したのは、研究チーム、開発部門、実験管理の担当者に新しい負担を渡さずに試行錯誤を次の判断に渡す研究記録を進めるという視点でした。ラボシフトの事業は、目立つ変化よりも、確認や受け渡しが少し短くなる日常的な改善に軸足を置いています。
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