
Kosuke Takamine
高峰 紘介
CEO / 澄科
生活者、家族支援者、相談窓口の担当者の会話から始まった問いを、相談しやすさを支える生活記録の設計へ育てる。澄科の事業づくりを追う。
- Year
- 2024
- Role
- CEO
- Industry
- 生活リズム・相談前記録支援
- Tags
- 生活リズム・相談前記録支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
澄科の高峰 紘介氏は、生活リズムと体調メモを整理する相談前記録ツールを完成品として押し出すより、生活者、家族支援者、相談窓口の担当者との対話を通じて運用を整えることを選んできました。「本人が言葉にしにくい体調の変化が相談時に抜け落ちていた」という問題意識を出発点に、情報の残し方、確認の順番、担当者間の受け渡しを見直しています。社内で大切にする選ばなかった案と理由まで記録する習慣も、現場の言葉を急いで結論へ変えないためのものです。
Company Focus
澄科の事業は、生活者、家族支援者、相談窓口の担当者が使う生活リズムと体調メモを整理する相談前記録ツールの設計と運用支援です。生活リズム・相談前記録支援では例外的な対応が日常的に起こるため、画一的な標準化だけに頼らず、調整の余地を残した仕組みを目指しています。生活者、家族支援者、相談窓口の担当者が自分の言葉で扱えることを、澄科は継続の条件に置いています。
Business Focus
相談しやすさを支える生活記録の設計が、澄科の現在のテーマです。生活リズムと体調メモを整理する相談前記録ツールの利用前後で確認が増えていないか、特定の担当者だけに作業が寄っていないかを点検します。利用者の言葉を仕様の言葉へ急いで置き換えないという考え方を、開発と運用の両方に反映しています。
Leadership Note
選ばなかった案と理由まで記録する習慣を、高峰 紘介氏は標語ではなく会議の進め方として扱っています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうなときには、選ばなかった案とその理由も記録します。澄科では結果だけでなく、チームが次の判断に使える材料まで共有します。
Interview
Q&A
Question 01
高峰 紘介氏が最初に「これは事業になる」と感じた瞬間はありましたか。
インタビュアー
本人が言葉にしにくい体調の変化が相談時に抜け落ちていたという経験を、どのように受け止めましたか。
高峰氏
当時は、問題が見えているのに前に進みにくい理由を考えていました。利用する方の会話にはヒントが多いのですが、忙しい日常の中では、それが次の判断まで残りにくい。
インタビュアー
澄科では、現場の会話を事業の材料として見ていたのですね。
高峰氏
はい。このツールは、会話の温度を失わずに業務へ渡すための形です。澄科の仕事は、そこを丁寧につなぐことから始まりました。
インタビュアー
澄科は、最初から市場を大きく見ていたわけではない。
高峰氏
まったくそうです。澄科が最初に見ていたのは、目の前の利用する方の困り方でした。生活リズム・相談前記録支援という言葉にすると大きく聞こえますが、始まりはもっと日常に近いものでした。
インタビュアー
日常に近い感覚から、澄科の事業に育った。
高峰氏
はい。だから今も、説明が大きくなりすぎた時は、『本人が言葉にしにくい体調の変化が相談時に抜け落ちていた』という出発点に戻るようにしています。
Question 02
利用する方に使われるために、何を見直していますか。
インタビュアー
生活リズム・相談前記録支援の中で、いま何を深めていますか?
高峰氏
いちばん見ているのは、判断の手前にある迷いです。相談しやすさを支える生活記録の設計を進めるには、きれいな結論だけでなく、そこへ至る途中の情報が必要になります。
インタビュアー
澄科は、判断の途中経過を大切にしている。
高峰氏
はい。このツールは、結論を急がせる道具ではありません。利用する方が納得して次へ進める材料をそろえるものです。
インタビュアー
澄科が、まだ足りないと感じている部分はありますか?
高峰氏
あります。澄科のチームが分かりやすいと思った言葉でも、利用する方には少しよそよそしく聞こえることがある。このツールの案内は何度も直しています。
インタビュアー
澄科では、言葉づかいも設計の一部なのですね。
高峰氏
本当にそうです。このツールの短い表現一つでも、利用する人が急かされていると感じることがありますから。
Question 03
澄科を作る組織として、譲れない空気はありますか。
インタビュアー
組織づくりでは、選ばなかった案と理由まで記録する習慣を大切にしているのですね。
高峰氏
はい。澄科では会議で強い意見が出ることより、後から読み返しても判断の筋が残っていることを重視しています。
インタビュアー
澄科では、記録が組織の安心感になる。
高峰氏
そう思います。このツールも、結局は人の判断を支えるものです。澄科の社内でも、誰が何を見て決めたのかを曖昧にしないようにしています。
インタビュアー
澄科でメンバーに任せる時、気をつけていることはありますか?
高峰氏
結論だけ渡さないことです。澄科では、なぜそれをやるのか、このツールのどこは触らないのかまで共有します。澄科がその背景を共有しなければ、仕事がただの作業になってしまいます。
インタビュアー
澄科では、仕事の背景も一緒に渡す。
高峰氏
そうです。澄科では、背景を持って動ける人を増やしたいですね。
Question 04
生活リズム・相談前記録支援で意思決定する難しさはどこにありますか。
インタビュアー
早く決めたほうがよい場面もありますよね。
高峰氏
もちろんあります。ただ、利用する方の現場に関わる判断は、早さだけで決めると後で説明が苦しくなります。
インタビュアー
説明できることを条件にする。
高峰氏
はい。このツールに関する判断は、半年後に別の担当者が見ても意味が分かるかを考えます。
インタビュアー
澄科が決める前に、必ず見るものはありますか?
高峰氏
このツールに触れる最初の三分です。澄科では、利用する方が何を見てどこで止まりそうか、その入口を想像してから決めます。
インタビュアー
このツールに触れる最初の三分ですか?
高峰氏
はい。このツールを長く使った時の価値も大事ですが、利用する方が入口で置いていかれたら、その先まで届きません。
Question 05
澄科らしさを保つために、これから何を大事にしますか。
インタビュアー
今後、澄科をどの方向へ進めたいですか?
高峰氏
相談しやすさを支える生活記録の設計を、特別なプロジェクトではなく日常の判断に近づけたいです。利用する方にとって、少し楽になったと感じられる場面を増やしたい。
インタビュアー
大きな変化より、実感を積み上げる。
高峰氏
そうですね。このツールも、その実感がなければ続きません。
インタビュアー
澄科が広がっていく中で、怖さはありますか?
高峰氏
あります。澄科が広がるほど、このツールの最初の手触りが薄くなる怖さがあります。だから、『本人が言葉にしにくい体調の変化が相談時に抜け落ちていた』という原点の話は社内でも何度もします。
インタビュアー
澄科の原点を共有し続ける。
高峰氏
ええ。澄科にとって原点は飾りではなく、迷った時に戻る場所です。
Question 06
澄科の現場で、思わず空気が和らぐ瞬間はありますか。
インタビュアー
取材していると、かなり慎重な方に見えます。
高峰氏
よく言われます(笑)。でも、ずっと慎重なわけではなくて、動く時はあっさり動きます。迷っている時間と、決めた後の切り替えは分けたいですね。
インタビュアー
慎重さと軽さの両方がある。
高峰氏
そうですね。相談しやすさを支える生活記録の設計も、重く考えすぎると始まりませんから。
Editor's Note
本人が言葉にしにくい体調の変化が相談時に抜け落ちていたという原点を、高峰 紘介氏は現在の事業判断にも具体的に結びつけています。生活リズムと体調メモを整理する相談前記録ツールの機能より、導入後に起こる会話や引き継ぎを具体的に語った点に、高峰 紘介氏の経営観が表れています。
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