
Kana Morino
森野 佳奈
CEO / キャッシュリード
小規模事業者、経理担当者、店舗運営者の会話から始まった問いを、資金の見通しを日常の会話に戻す設計へ育てる。キャッシュリードの事業づくりを追う。
- Year
- 2022
- Role
- CEO
- Industry
- 小規模経理・資金見通し支援
- Tags
- 小規模経理・資金見通し支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
資金繰りの不安が事業判断より先に経営者を疲れさせていた。森野 佳奈氏がキャッシュリードの事業を考える起点になったのは、この具体的な場面でした。入出金予定と支払い確認を整理する経理補助ツールを設計する際も、小規模事業者、経理担当者、店舗運営者の仕事を一律に置き換えるのではなく、既存の工夫を残しながら負担の大きい部分をほどく姿勢を取っています。速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行という組織運営にも、その考え方が表れています。
Company Focus
小規模経理・資金見通し支援を手がけるキャッシュリードは、小規模事業者、経理担当者、店舗運営者の日々に入出金予定と支払い確認を整理する経理補助ツールをどう組み込むかを考えてきました。キャッシュリードでは新しい操作を増やすより、確認の重複や情報の行き違いを減らすことを優先しています。小規模事業者、経理担当者、店舗運営者へ完成された標準を渡すのではなく、一緒に調整できる余地を残しています。
Business Focus
現在の重点は資金の見通しを日常の会話に戻す設計です。キャッシュリードでは、完成形を一度に決めるのではなく、小規模事業者、経理担当者、店舗運営者が迷う場面を特定してから改善の単位を決めています。最初から全体を統一せず、戻せる単位で試すという方針のもと、導入後の修正や引き継ぎまでを事業設計に含めています。
Leadership Note
速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行を、森野 佳奈氏は標語ではなく会議の進め方として扱っています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうなときには、選ばなかった案とその理由も記録します。キャッシュリードでは結果だけでなく、チームが次の判断に使える材料まで共有します。
Interview
Q&A
Question 01
キャッシュリードの構想は、最初から明確だったのでしょうか。
インタビュアー
事業の入口として、何が一番大きかったですか?
森野氏
置き去りになっている実務の感覚です。資金繰りの不安が事業判断より先に経営者を疲れさせていたという出来事を通じて、現場の事業者が抱える違和感は、会議の資料になる頃にはかなり丸められてしまうと感じました。
インタビュアー
丸められる前の感覚を扱いたかった。
森野氏
はい。このツールは、きれいに整理された結論だけでなく、そこに至る途中の気配まで残すためのものです。
インタビュアー
キャッシュリードの原点は、周囲に説明しづらい課題だったのではないですか?
森野氏
説明しづらかったですね。小規模経理・資金見通し支援の大きな課題として語る前に、現場の事業者が言葉を止める場面を見ていました。キャッシュリードが注目したのは、目立つ不満より、確認のたびに小さく手が止まるところです。
インタビュアー
キャッシュリードは、課題名になる前の停滞を見ていた。
森野氏
そうです。そこを見逃すと、このツールも整って見えるだけのものになります。キャッシュリードでは、格好よく説明することより、実際に起きていることから離れないようにしました。
Question 02
キャッシュリードの注力テーマを、現場の言葉でいうと何でしょう。
インタビュアー
資金の見通しを日常の会話に戻す設計を進めるうえで、何を指標にしていますか?
森野氏
数字だけでは見えない変化を見ます。たとえば、確認のための会話が短くなったか、誰かに聞かないと分からない状態が減ったか。現場の事業者の表情や会話の流れも大切な手がかりです。
インタビュアー
定量化しにくい部分も見ている。
森野氏
はい。このツールは、業務の速度だけでなく、迷い方そのものを変えるものにしたいんです。
インタビュアー
キャッシュリードのいまの注力点は、かなり地道ですね。
森野氏
地道です(笑)。ただ、キャッシュリードが地道なところを飛ばすと、後で必ず戻ってきます。資金の見通しを日常の会話に戻す設計も、見た目の新しさより、毎日の仕事にちゃんと残ることを優先しています。
インタビュアー
資金の見通しを日常の会話に戻す設計は、笑いながら言うにはなかなか重いテーマです。
森野氏
そうなんです。でも、このツールを重い顔だけで作っても続きません。キャッシュリードのチームでは、真面目に悩みながらも少し笑える余地は残しています。
Question 03
キャッシュリードのチームでは、どんな会話が多いですか。
インタビュアー
組織づくりでは、速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行を大切にしているのですね。
森野氏
はい。キャッシュリードでは会議で強い意見が出ることより、後から読み返しても判断の筋が残っていることを重視しています。
インタビュアー
キャッシュリードでは、記録が組織の安心感になる。
森野氏
そう思います。このツールも、結局は人の判断を支えるものです。キャッシュリードの社内でも、誰が何を見て決めたのかを曖昧にしないようにしています。
インタビュアー
キャッシュリードでメンバーに任せる時、気をつけていることはありますか?
森野氏
結論だけ渡さないことです。キャッシュリードでは、なぜそれをやるのか、このツールのどこは触らないのかまで共有します。キャッシュリードがその背景を共有しなければ、仕事がただの作業になってしまいます。
インタビュアー
キャッシュリードでは、仕事の背景も一緒に渡す。
森野氏
そうです。キャッシュリードでは、背景を持って動ける人を増やしたいですね。
Question 04
キャッシュリードの事業軸を守るために、あえて止めることはありますか。
インタビュアー
意思決定の場で、よく問い直すことはありますか?
森野氏
これは現場のためか、こちらの都合か、という問いです。資金の見通しを日常の会話に戻す設計は魅力的なテーマですが、言葉だけが前に出ると簡単にずれます。
インタビュアー
自社都合になっていないかを見る。
森野氏
ええ。現場の事業者の時間を借りる以上、その時間に見合う軽さや納得感が必要です。
インタビュアー
キャッシュリードの意思決定で、迷いが長引くこともありますか?
森野氏
あります。キャッシュリードでは、そういう時はいったん資料を閉じて、このツールを使う誰の顔が浮かぶかを考えます。現場の事業者の中で、具体的に困っている人が見えない案は危ないですね。
インタビュアー
このツールを使う人の顔が浮かぶかどうか。
森野氏
ええ。キャッシュリードがきれいな言葉だけで進みそうな時ほど、そこを確認します。
Question 05
現場の事業者との関係は、これからどう変わっていきますか。
インタビュアー
この先の課題をどう見ていますか?
森野氏
小規模経理・資金見通し支援は、便利な言葉が増えるほど本質が見えにくくなる面があります。だからこそ、最初から全体を統一せず、戻せる単位で試すという姿勢を崩したくありません。
インタビュアー
流行に寄せすぎない。
森野氏
はい。資金の見通しを日常の会話に戻す設計を進めるほど、何を変えないかも問われると思っています。
インタビュアー
キャッシュリードが、これからも変えない軸は何でしょう。
森野氏
キャッシュリードが変えないのは、相手の仕事を勝手に単純化しないことです。小規模経理・資金見通し支援では、外から見ると小さな手順にも理由があることが多い。
インタビュアー
このツールで便利にする前に、今の手順にある理由を見る。
森野氏
はい。その理由を見ないまま資金の見通しを日常の会話に戻す設計を進めると、たぶん長くは続きません。
Question 06
キャッシュリードの仕事で、うれしかった小さな出来事はありますか。
インタビュアー
忙しい中で、チームの空気を保つ工夫はありますか?
森野氏
大げさなことはしていません。うまくいかなかった時に、誰か一人のせいにしないことくらいです。あとは、お菓子が減るのが早いですね(笑)。
インタビュアー
急に生活感が出ました。
森野氏
そういう生活感も大事だと思います。難しい話をしていても、働いているのは普通の人ですから。
Editor's Note
森野 佳奈氏の語りからは、小規模経理・資金見通し支援の課題を一括りにせず、運用の細部から捉える姿勢が伝わりました。キャッシュリードの事業は、目立つ変化よりも、確認や受け渡しが少し短くなる日常的な改善に軸足を置いています。
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