
Rin Onozuka
小野塚 凛
CEO / Quilta
ブランド制作・素材管理支援の課題を大きく語りすぎず、デザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者の日常から考える。Quiltaのリーダー像を描く。
- Year
- 2022
- Role
- CEO
- Industry
- ブランド制作・素材管理支援
- Tags
- ブランド制作・素材管理支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
Quiltaで制作意図と素材履歴を整理するブランド編集ツールを手がける小野塚 凛氏は、よい表現の理由が担当者の感覚として残りがちだったという出来事から事業の輪郭をつかみました。重視するのは、デザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者が新しい仕組みに合わせることではなく、仕組みの側が実務の順番を理解することです。言葉になっていない懸念を会議に持ち込める空気を通じて、担当者が変わっても判断の背景をたどれる組織を作っています。
Company Focus
Quiltaは、制作意図と素材履歴を整理するブランド編集ツールを軸にブランド制作・素材管理支援の運用課題へ取り組む組織です。対象となるデザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者の既存手順を観察し、残すべき工夫と見直すべき負担を分けながらサービスを設計しています。制作意図と素材履歴を整理するブランド編集ツールでは、現場の既存手順を尊重し、変更理由まで説明できる設計を選んでいます。
Business Focus
Quiltaは制作意図を次のプロジェクトへ渡す編集基盤に注力しています。重視するのは、デザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。新しい作業を足す前に、今ある重複を減らすという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。
Leadership Note
小野塚 凛氏の判断は、言葉になっていない懸念を会議に持ち込める空気から始まります。特に例外を切り捨てて標準化を急ぎそうな局面では、案の分かりやすさよりも、半年後に別の担当者が見て意味を理解できるかを確認します。小野塚 凛氏は決定後の動きを曖昧にしない一方、決める前の異論には時間を使います。
Interview
Q&A
Question 01
よい表現の理由が担当者の感覚として残りがちだったという出来事を、当時どう受け止めましたか。
インタビュアー
よい表現の理由が担当者の感覚として残りがちだったという場面が、事業を考えるきっかけになったのでしょうか?
小野塚氏
そうです。ただ、すぐに解決策へ飛んだわけではありません。現場の担当者の仕事を見ていると、問題は大きな失敗ではなく、小さな確認や申し送りが少しずつ重くなることにありました。
インタビュアー
その積み重なりが見過ごせなかった。
小野塚氏
ええ。このツールは、その重さを一気に消すものではなく、日々の流れの中で扱いやすくするものとして考えました。そこがQuiltaの起点です。
インタビュアー
Quiltaを、すぐ形にしようとは思わなかったのですね。
小野塚氏
思わなかったです。このツールを急いで形にすると、浅くなる気がしていました。よい表現の理由が担当者の感覚として残りがちだったという出来事の後も、しばらくはノートに会話だけを書いていました。
インタビュアー
現場の担当者との会話を集めるところから。
小野塚氏
はい。現場の担当者が何に困ったと言うかより、どこで言いよどむかを見ていました。そこにQuiltaの事業の輪郭がありました。
Question 02
ブランド制作・素材管理支援の中で、いま一番慎重に見ている点は何ですか。
インタビュアー
Quiltaの今後の事業で、特に磨きたい部分は何ですか?
小野塚氏
このツールの中で、利用者が自分の言葉を残せる部分です。現場の担当者には、それぞれの現場でしか分からない表現があります。
インタビュアー
このツールを画一化しすぎないということですか?
小野塚氏
そうです。制作意図を次のプロジェクトへ渡す編集基盤を進めるほど、標準化と個別性のバランスが重要になります。そこを丁寧に見たいですね。
インタビュアー
Quiltaが、まだ足りないと感じている部分はありますか?
小野塚氏
あります。Quiltaのチームが分かりやすいと思った言葉でも、現場の担当者には少しよそよそしく聞こえることがある。このツールの案内は何度も直しています。
インタビュアー
Quiltaでは、言葉づかいも設計の一部なのですね。
小野塚氏
本当にそうです。このツールの短い表現一つでも、利用する人が急かされていると感じることがありますから。
Question 03
Quiltaを作る組織として、譲れない空気はありますか。
インタビュアー
経営者として、組織に残したいものはありますか?
小野塚氏
問いの立て方です。ブランド制作・素材管理支援の仕事は、すぐ答えが出るものばかりではありません。だから、問いを粗く置くと、その後の判断も粗くなります。
インタビュアー
問いの精度が事業の精度になる。
小野塚氏
はい。言葉になっていない懸念を会議に持ち込める空気を大切にするのは、そこに理由があります。
インタビュアー
Quiltaの社内は、わりと静かなタイプですか?
小野塚氏
静かですが、淡々としているわけではありません。Quiltaではこのツールの細部で急に盛り上がることがあります(笑)。Quiltaらしく、文言を一行直すだけで二十分くらい話すこともあります。
インタビュアー
Quiltaらしい細かさですね。
小野塚氏
でも、その一行で現場の担当者の受け取り方が変わるなら、十分話す価値があります。
Question 04
Quiltaの事業軸を守るために、あえて止めることはありますか。
インタビュアー
Quiltaが迷ったとき、何を手がかりにしますか?
小野塚氏
このツールの変更で影響を最も受ける人を想像します。便利そうに見えても、Quiltaが現場の担当者の手元で仕事を増やすなら判断としては危うい。ブランド制作・素材管理支援ではそこを外せません。
インタビュアー
Quiltaは、利用者の負担から逆算する。
小野塚氏
そうです。制作意図を次のプロジェクトへ渡す編集基盤を進めるときも、見栄えより運用後の呼吸を見ます。
インタビュアー
Quiltaが決める前に、必ず見るものはありますか?
小野塚氏
このツールに触れる最初の三分です。Quiltaでは、現場の担当者が何を見てどこで止まりそうか、その入口を想像してから決めます。
インタビュアー
このツールに触れる最初の三分ですか?
小野塚氏
はい。このツールを長く使った時の価値も大事ですが、現場の担当者が入口で置いていかれたら、その先まで届きません。
Question 05
Quiltaを次にどう育てていきたいですか。
インタビュアー
これからのQuiltaに必要なものは何だと考えていますか?
小野塚氏
現場の言葉を失わないための辞書です。このツールを広げるほど、現場の担当者の細かな表現が薄まりやすくなります。
インタビュアー
共通化しながら、個別の言葉も残す。
小野塚氏
はい。制作意図を次のプロジェクトへ渡す編集基盤を進めるうえで、その両方を持てる会社でありたいです。
インタビュアー
Quiltaの次の挑戦には、楽しみな部分もありますか?
小野塚氏
ありますよ(笑)。大変なことも多いですが、このツールによって現場の担当者の仕事がふっと軽くなる瞬間を見ると、やはり面白いです。
インタビュアー
このツールで仕事がふっと軽くなる瞬間。
小野塚氏
そうです。Quiltaにとっては、大きく変わったと言われるより、『今日ちょっと助かりました』のほうがうれしい時もあります。
Question 06
Quiltaらしい、ちょっとした日常の風景を教えてください。
インタビュアー
ブランド制作・素材管理支援は堅いテーマに見えますが、現場はどうですか?
小野塚氏
意外と人間くさいです。迷ったり、言い間違えたり、後から『さっきの説明、違いました』となったり。そういう揺れも含めて仕事だと思っています。
インタビュアー
揺れをなくすのではなく、扱えるようにする。
小野塚氏
はい。Quiltaの仕事は、完璧な人を前提にしないところから始まっています。
Editor's Note
小野塚 凛氏が繰り返したのは、デザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者に新しい負担を渡さずに制作意図を次のプロジェクトへ渡す編集基盤を進めるという視点でした。取材を通じて見えたのは、デザインチーム、広報部門、制作会社の進行担当者の仕事を外側から単純化せず、判断の背景まで理解しようとする姿勢でした。
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